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絞りの変化と写真の関係性

 


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初心者が教える写真講座、写真が趣味の家庭発電所所長のjal_1980です。
今回は絞りと写真の関係性について記事を書きます。
露出(写真の明るさ)を決める3要素の一つである絞りについて初心者向け用で簡単に説明していきます。

 

絞りとは?

レンズの中に入っている絞り羽を大小開閉する事で通る光路を変化させて写真の明るさに影響します。
絞り羽を変化させる事で光の量以外に変化するピントの合う範囲(被写界深度)を調節出来ます。
よくレンズ交換式カメラを手に入れると使うボケです。

絞り機構はカメラ本体ではなく、レンズ部分に有ります。

 

絞りの開閉模式図で説明

下の図はレンズ内部にある絞りです、外周のグレー部分が絞り羽で光を通しません、水色部分はガラスで光が通る所です。
レンズ内部にある絞り羽が光の通る穴の部分を大小変化させている様子が下の模式図です。

絞りの大小はf値で表し数値の少ない方が絞りが大きい(光の通り道が大きい)ている、f値が大きいと絞りが小さい(光の通り道が小さい)事を表します。

f値の変化によって光の通り道が変わる副作用としてボケ(被写界深度)が変化します。

 

被写界深度とは?

ピントの合う範囲の事を言います。

下の写真は全て100mmにフォーカスを合わせて絞り値を変化させて撮影を行ったサンプルです。
絞り値を変化させて定規のメモリが見える範囲が変化しているのが下の写真で解ると思います。

絞りの数値が大きいほどメモリの読める範囲が広くなります、したがってピントの合う範囲が広くなる(前後の奥行きが深くなる)事が解りましたね。

 

レンズ内部の絞り羽

下の写真は実際のレンズでカメラ取付側から見た絞り羽の開閉です。

写真の明るさを決める露出の三要素の内、シャッタースピードとISO感度を固定して絞りだけ変化させた場合、絞りが大きい(f値が小さい)方が絞りが小さい(f値が大きい)場合に比べて光の通る量が多くなり明るい写真になる事が何となく想像出来ると思います。

それで写真の明るさ(露出)の3要素の1つになります。

それでは絞り以外の設定値(シャッタースピード・ISO感度)を固定して絞りの変化が写真にどのような影響が出るのか見てみましょう。

いかがでしたか?
絞りを閉じる(f値を大きく)変えると液晶モニターが暗く変化して、写真も同様に暗い写真となってしまいます。
反対に絞りを開ける(f値を少なく)変えると液晶モニターが明るく変化して、写真も明るくなります。

絞りを変化させることで写真に影響する事は大きく2つ。

1.ピントの合う範囲(写真用語では被写界深度)⇒ ボケの表現に活用
2.光の量(開閉させる事で光の通る道が変化) ⇒ 写真の明暗の表現に活用

 

ここであなたに一つ質問します、風景写真で全体にピントのあったきれいな写真を撮りたいと思います。
絞りをどのようにしたらきれいな写真が撮れるでしょうか?

絞りを最小(f 値を最大)にして撮った方が全体にピントが合ってキレイな風景写真が撮れるのか?

答えはNOです。
理由は回折現象によって解像度が低下するからです。

 

回折現象とは?

絞りを最小にすると、光が通る穴が小さくなりますよね。光の通り道が小さくなると回り込む光が邪魔をして解像度が低下します。(撮った写真がぼやけてしまいます)
スリット状に光を遮ると光が球面に広がる現象です。

回折現象を模式図で表すと下図の様になります。
左の光源であるライトを光を通さないピンホール(レンズに例えると最小絞り=f値が最大)を通った光は直進しますが、ピンホール(絞り羽)の周りに光が回り込んでしまう現象を回折現象と言います。
直進せず回り込む光が(回折光)が写真に悪影響を与える邪魔な存在なのです。

この回折現象による解像度低下を写真用語で小絞りボケと言ったりします。

絞りの数値と解像度の関係性をグラフにすると、大体のレンズはこんな感じになります。

絞り解放から少し絞った所がレンズの持つ解像度が最大になる傾向です。

絞りが写真にどう変化するか分かりましたね。

絞りの大小変化させられる範囲はレンズによって変わります。
同じ画角(写真で写る範囲が同じ)レンズで比較すると。解放f 値が大きい(光の通る穴が大きい)レンズは高額で重くなり、解放f 値が小さい(光の通る穴が小さい)レンズは安価で軽い傾向です。

同じメーカー・同じ焦点距離(写る範囲が同じ)レンズで開放f値が違うレンズを価格.COMで比較してみました。

【画像出典:価格.COM】

改めて価格の違いが大きいのがわかります。

 

同じ焦点距離でf値の違うズームレンズを比較

ズーム出来ないレンズ(単焦点レンズ)はズームレンズと比較して解放f 値が大きくする事が可能で解放f 値が大きいレンズを明るいレンズと言ったりします。英語圏では明るい為に早いシャッタースピードを使えるのでハイスピードレンズとも言うそうです。

ズームレンズは解放f 値固定のレンズとズームすると解放f値が小さくなるレンズがあってズームしても解放f 値が固定レンズの方が固定です。

同じメーカー・なるべく同じ焦点距離(写る範囲が同じ)レンズで開放f値が違うレンズを価格.COMで比較してみました。

【画像出典:価格.COM】

左の黒いレンズは開放f値が4-5.6とズームすると開放f値が変化してしまうレンズなのですが価格が安いですよね。
しかし右の2つの白いレンズはズームをしても開放f値が4または2.8と変化しないレンズですが価格は跳ね上がってしまいます。

レンズ交換式のカメラではレンズを交換する事で撮れる写真が変化するので面白いですが、高価なレンズを購入を繰り返してしまう行為を沼に足を取られる事を例えてレンズ沼にはまってしまうと言ったりします。

高価なレンズや機材を買いそろえる事でお金が掛かる趣味と思われてますが機材は何でも(スマホ・コンデジ・ミラーレス等)写真を楽しむ事は出来ます。

とっつきにくい写真の事を初心者向けに分かりやすく説明していきますのでどうぞよろしくお願いします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 


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jal_1980

1980年生まれ、妻と子供3人の父で真岡市在住。 趣味は写真撮影、動画編集、PCカスタマイズ等。 蓄電池やEV・PHVなどに興味・関心があります。発電した電気は売電から個人消費に変化していく過程を発信していきます。

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